たおやめぶり


「文化防衛論」と「政治青年死す」

2013年06月22日 21:43

1 週刊誌天皇制

三島由紀夫の慧眼には敬服します。バタイユからあの程度のことしか学べなかったのかと突っ込みたくなりますし、楯の会の軍服も嫌いですが、さすがにこのあたりの嗅覚は天才的です。

現在の皇室のあり方は、まさに上記一言で要約できるでしょう。

とりわけ両陛下は、マスメディアにどのように映じるかを非常に強く意識していらっしゃるように見受けられます。

一見護憲的な発言や(皇太子時代からの)公法学会重鎮の葬式参列などで、左派の歓心を買い。

皇太子時代には、不熱心だった宮中祭祀に先帝陛下以上に熱心に取り組むポーズをとることで右派の歓心を買う(このあたりの巧みな変節について、比較的よく勉強されている横田耕一さんあたりに『皇太子時代には逆の批判が強かったことをおもえば、隔世の感がある。』とか皮肉めいたことを言われちゃうわけでしょう。)。

その辺のバランス感覚はおありのようですね。

でもさすがに、そろそろメッキが剥げつつあるようにも見えますがねぇ。

 

2 「政治青年死す」について

いまだに、大江氏の事実上の全集(大江健三郎小説 全10巻 新潮社)にさえ収録できないらしいですが、右翼の九割がたはこの批判に要約されるのでは?

要するに、真の実力もなく、根はひ弱だから、「天皇」と一体化することでエクスタシーに達する。

天皇にしてもいい迷惑でしょう。

神社神道関連で、比較的右寄りの人と接することが多いからかもしれないけど、「大いなるもの」との一体化がなければ、自己の尊厳が保持できないというタイプが多くて正直嫌になる。日本で、コミュニタリアニズムが八木さんみたいな形で受容されていく理由もよく解る。

もっと、「自分自身」に尊厳のよりどころをもとめられなのかなぁ。ピュアな人が多いから、嫌いじゃないんだけど。センスが合わない。

 

3 告白

やはり、これは申し上げておくべきと思うから、申し上げます。

私自身かつては男系男子派でした。

しかし、憲法2条の趣旨を踏みにじる不可解な懐妊劇や、その後のメディアの恐るべき変節を通じて、徐々に、

①現段階で、男女を問わない直系第一子優先主義の皇位継承に改めた方が、皇統の安泰につながる。

②男系主義については、誠に畏れ多いことではあるが、内親王殿下のご正配に旧宮家や皇別摂家のしかるべき末裔の方をお迎えすればよいのではないか。

という考え方に変わってゆきました。しかし、現在の日本では受け入れられない考えのようです。

自分なりに、皇室の弥栄をご祈念申し上げてきたのに、事あるごとに乱臣賊子呼ばわりされ、さすがに、もううんざりです。

 

4 忠告

信じる信じないはご自由ですが、「男系男子派」の中には、隠れ共和主義者も多いですよ。

特に、左翼からの転向者系男系男子派に多いです。

そこそこ有力で教科書も著わしてる憲法学者が、内輪の席で心を許したのか

「男系男子主義を維持すれば、近い将来、皇位継承資格者がいなくなる。『天皇制』は既にその歴史的使命を終えている。そのような形での終焉が一番いい。」と語ったことがあります。ちなみに、その彼も男系男子派です。

 

5 愛の反対は無関心

男系男子派から見れば、私みたいなのは、罵倒の対象なのでしょう。何回、意見を交換しようとしても平行線のままです。

ただ、愛の反対は無関心です。

厳格な男系男子派からは、憎しみの対象、一方的な侮蔑の対象でしょうが、自分なりに皇統皇位のことを真剣に考えているからこそ、貴重な時間を削って投稿してきたのです。ただ、私もさすがにもう疲れました。これからは多くの国民と同様に、皇室に対して無関心になるかもしれません。

その方が、自分にとっては楽ですし。

 

6 おことわり

文芸談義の中に、皇室論議や政治論議を加えたことにつき、異様なまでの不快感をお示しになる「勢力」が存在するようですので、この辺でもう、この話題には触れますまい。一体、この国はどうなりますことやら。

これからは、原則としては、文学談義に専念することにいたします。

 

 

 

 

 

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